【令和5年】
新年号
『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。
・ 御前に捧げる「薩摩琵琶」 友吉鶴心(琵琶奏者)
・ [連載]聖蹟を歩く 最終回 打越孝明(明治神宮国際神道文化研究所主任研究員)
・ 明治神宮の干支絵馬 宮川佑介(日本画家)
干支鈴 友永詔三(造形作家)
・ 明治神宮の干支絵馬 宮川佑介(日本画家)
――新しい年のうさぎはどのようにして描かれたのですか。
まず、近所の生物園にスケッチブックを持って行きました。最初、一羽の絵を提出しましたが親子にということになり、赤ちゃんうさぎは、毛玉のようでよくわからない感じがかわいらしいかと思いましたが、わかりやすくということで、耳を大きくしたりしました。
絵馬の大きさになったときにどうなるか、縮小コピーを何度もコンビニにとりにいきました。実際の赤ちゃんうさぎはもっと小さいのですが、絵馬の中では大きくしてしまった方がかわいい。
※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]
明治神宮の干支鈴 友永詔三(造形作家)
前髪つけてかわいらしく
うさぎの干支鈴は、耳と赤い目でうさぎの特徴を表し、唇は人間に近い感じにしています。半分、擬人化しているのです。その方が面白いし、十二支すべて擬人化した感じでやってみたかった。親しみやすくなるんですよ、動物が。そして、ちょっと黄色いアイシャドーを入れた方がかわいいかな、と思って、入れました。前髪もあります。あった方がかわいいでしょ。眉はつけません。表情が出すぎて怖くなりますし、いろんな人が自由に想像できなくなる。勝手に想像できるところも必要だと思います。
※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]
・ 御前に捧げる「薩摩琵琶」 友吉鶴心(琵琶奏者)
身を清めて御前演奏
前日は肉も魚も控え
前日には肉も魚も食べないようにしています。別火(穢れに触れないよう、調理の火を別にすること)はできませんが。当日の朝は必ず沐浴をして身を清め、下着と足袋は新しくするということを行っています。
参拝の時は、ご奉納させていただけることへの感謝が第一ですが、明治天皇もお好きだった琵琶の普及にお力添えをいただけたら……という思いもございます。
※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]
・ [連載]聖蹟を歩く 最終回 打越孝明(明治神宮国際神道文化研究所主任研究員)
■新道を福島県境へ
3日、天皇は米沢行在所を発つと、新道を進み、観音原、苅安原(かりやすはら)、滝ノ沢、栗子峠(くりことうげ)を経て、福島県へ向かわれました。山形県の刈安新道と福島県の中野新道から成る栗子新道は、巡幸の翌年(明治15年2月8日)、明治天皇によって「萬世大路(ばんせいたいろ)」と命名されました。
山形・福島両県の境を貫く栗子隧道(ずいどう)の西口では、天皇のご臨席を仰いで開通式が挙行されました。曇天(どんてん)であった天候がにわかに好転して日が差し、日の丸の旗が風に翻(ひるがえ)り、花火が打ち上げられるなか、明かりを手に持った三島通庸(みちつね)県令の先導により、天皇は徒歩でトンネルの中を進み、県境を越えられたのです。
※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]