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【令和3年】

春号

『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。

我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。

明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 [明治神宮崇敬会のお申込み]

 

・鎮座百年祭にあたり皇族方御参拝

・コロナの時代をどう生きるか 永田和宏

代々木の杜のきのこのはなし 保坂健太郎

・鎮座百年祭を終えて 内田祥哉

・[連載]聖蹟を歩く 第41回 打越孝明(明治神宮国際神道文化研究所主任研究員)

 

 

 

・鎮座百年祭にあたり皇族方御参拝
・鎮座百年祭にあたり皇族方御参拝

11月6日、秋篠宮眞子内親王殿下並びに佳子内親王殿下が明治神宮鎮座百年祭にあたり御参拝になりました。

午前10時、第三鳥居前にご到着になり、間島誉史秀禰宜の先導により内拝殿まで進まれ、玉串を奉り拝礼されました。

佳子内親王殿下は、成年を迎えられ、初の御参拝となりました。

 

 

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]

 

・コロナの時代をどう生きるか 永田和宏
・コロナの時代をどう生きるか 永田和宏

世界中が新型コロナウイルスの感染爆発(パンデミック)に直面しています。

百年に一度といわれる状況に、日本でも「緊急事態宣言」が発令されるなど、社会に不安が広がりました。

明治神宮総合歌会常任委員の永田和宏氏は、歌人であり、細胞生物学者でもあります。

科学者としてこのコロナ禍に発信をしている永田氏にお話を伺いました。

 

 

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]

 

 

 

・代々木の杜のきのこのはなし 保坂健太郎
・代々木の杜のきのこのはなし 保坂健太郎

 

――菌は小さいものだと思っていました。

保坂 我々が見ているのは菌類にとっての実(子実体)だけですから。しかし、明治神宮の杜の中で一番巨大な生き物である可能性はあります。証明は今のところできていませんけれども。

 実際、世界中でいろんなきのこが調べられていますけれども、判明している中で一番巨大なきのこはナラタケの仲間で、アメリカのある個体は菌糸が3キロメートル四方に広がり、推定重量は数千トンとされています。さらに菌糸の成長速度から推定すると、1500年は成長し続けているようです。そのくらいになり得るのが、きのこなのです。

 明治神宮のきのこもそのくらい大きくなるものがあるかもしれません。自然状態ではほかの種との競争もありますから、なかなか一種がそこまで優先して大きくなれないかもしれません。しかし一方で、一度人間の攪乱があったところというのは、最初にそこに入って、一気に成長したきのこがいるかもしれませんから、明治神宮の杜全体を一つのきのこの個体が覆っていてもおかしくないのです。

 少なくとも、明治神宮の杜は地面の下はすべてきのこが繋げている、と言っていいと思います。

 

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]

・鎮座百年祭を終えて 内田祥哉
・鎮座百年祭を終えて 内田祥哉

実は、これは明治神宮だけのことではないのですが、戦後の混乱によって、法規制に混乱が起きていました。昭和25年施行の建築基準法の手落ちです。それは、建築基準法の前にあった市街地建築物法(大正8年施行)が、マッカーサーが来たとたんに、全部白紙になってしまったのですが、そのあとにできた建築基準法から社寺建築がすっぽり抜けてしまったのです。旧市街地建築法には「社寺建築はこの限りにあらず」という一文があり、お役人がいいと言えばいいよ、と書いてあった。それがなくなってしまった。現在の市街地建築法の中にも社寺建築は入っていません。

 その理由は、おそらく同じころに文化財保護法ができたためだと思います。建築基準法に携わった人たちは自分の所で精一杯で、神社やお寺は文化財保護法でいいだろう、と。神社仏閣にも新築があるということを意識していないのです。そうすると伊勢の神宮の遷宮も、金閣寺の再建もすべて建築基準法に則っていないことになります。明治神宮も同じです。しかし、そんなこと、どなたもご存じない。

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]