【平成27年】
秋号
『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。
我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。
明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。
表紙の写真について
表参道の燈籠
表参道の燈籠は、昭和11年に赤坂・渋谷両区の要望により、明治神宮創建にも携わった建築会の泰斗・伊東忠太氏の設計、明治神宮奉賛会によって同年7月に完成、奉納されたものです。表参道の明治通り沿いに2基(高さ約6メートル)、青山通り沿いに2基(高さ約5メートル)あります。 平成23年の東日本大震災を受けて、明治神宮が耐震調査を行ったところ、鉄骨心材が地中から笠まで通っていることが確認され、その強固なつくりに関係者を驚かせました。
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明治神宮と私
言語学者 鈴木孝夫
“日本の感性が世界を変える”という書名の本(新潮選書)で強く、肝心の日本人自身が自覚していない「日本文明の内包するよさ」を訴えている言語社会学者。ことばを“武器”に、元気よく講演などでも活躍している大正生まれの氏は、日本野鳥の会の草分け的存在でもあり、戦後まもない昭和22年から始まった明治神宮での探鳥会にも欠かさず参加していたという。
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鈴木 孝夫(すずき・たかお)
大正15年、東京都出身。慶応義塾大学名誉教授。同大文学部英文科卒。カナダ・マギル大学イスラム研究所員、イリノイ大学、イェール大学訪問教授、ケンブリッジ大学(エマヌエル、ダウニング両校)訪問フェローを歴任。専門は言語社会学。『武器としてのことば』『日本の感性が世界を変える』(共に新潮選書)をはじめ、『人にはどれだけの物が必要か』(新潮文庫)など著書多数。
代々木の杜のシダのはなし
元千葉県立中央博物館副館長 中池敏之
また、今回の調査では、崖地(岩)や樹幹などに着生するウチワゴケ、コバノヒノキシダ、ミツデウラボシ、ノキシノブなどが確認できました。これらのシダが生育するのは、空中湿度と空気がきれいな場所であることを示唆しています。
今回の明治神宮での調査結果と、緑が残っている都内の文京区にある小石川後楽園庭園、千代田区の皇居、港区の国立科学博物館自然教育園、北区全域調査報告と、そのシダの出現種類数を比較しました(調査時期、広さなどは異なりますが)。明治神宮が圧倒的に種類数が多いことが判明しました。日本のシダのおおよそ一割弱が明治神宮内に生育していることは、この場所がシダの生育にはいかに良好な環境であることを示しています。
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中池 敏之(なかいけ・としゆき)
昭和18年、京都生まれ。東京教育大学卒業後、国立科学博物館植物研究部研究官を経て、千葉県立中央博物館副館長を務めた。著書に『日本のシダ植物図鑑』〈第一巻~八巻〉(東京大学出版会)、『新日本植物誌〈シダ編〉』(至文堂)等。
聖蹟を歩く 第19回 明治13年甲州・東山道巡幸(3)
山梨から長野へ
明冶13年(1880)6月23日、長野県境へ向けて、明治天皇は山梨県の菅原行在所(北原宅)を発たれました。「空よく晴れて、遠近の山鮮やか」な日和です(『明冶13年御巡幸誌』)。今回の巡幸の旅路は、すでに一週間が経過しています。
県境に近い教来石では、40人ほどの早乙女が谷あいの水田で田植えをする様子が天覧に供されました。「明治天皇御田植御通覧之址」碑(昭和14年)が建ち、少し道を進むと、平成10年(1980)白州町(当時)の教育委員会が設けた新しい「御膳水跡」の標示に「明冶13年、明治天皇がご巡幸の際にこの細入沢の湧水をお飲みになり、お誉めに与りました」と記され、往時を思い出させてくれます。
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打越 孝明(うちこし・たかあき)
昭和35年、茨城県水戸市生まれ。早大大学院に学び、同大学助手や大倉精神文化研究所専任研究員などを経て、現在明治神宮国際神道文化研究所主任研究員および早大非常勤講師を務める。著書に『絵画と聖蹟でたどる明治天皇のご生涯』、共編著に『日本主義的学生思想運動資料集成Ⅰ・Ⅱ』や『大倉邦彦の『感想』―魂を刻んだ随想録―』、論文に「明治天皇崩御と御製 上・下」(『復刊明治聖徳記念学会紀要』25・26)などがある。
資料に見る明治神宮とその時代
第1回『代々木』創刊号 大正13年3月25日発行 明治神宮社務所編
平成32年に鎮座百年を迎える明治神宮には、大正期から現在に至るまでの関係資料が残されており、その一つひとつから当時の社会情勢や人々の意識などを読み取ることができます。今回は、第一回として本誌『代々木』の創刊号をご紹介致します。
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