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【平成23年】

秋号

『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。

我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。

明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 

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記念特集
記念特集

宝物殿・聖徳記念絵画館、重要文化財指定に。

建築の魅力【宝物殿】

宝物殿は、正門、中倉(展示室)、東倉・西倉(収蔵庫)、事務室、左右の下足場の7つの建物が相称に配されるとともに、渡廊でつながれており、寝殿造りに想を得た配置となっています。分棟で屋根の数が増え、それらが連なることによって華麗な景観がつくり出されています。校倉造り風に下のは、聖武天皇の御物を収蔵する東大寺正倉院にならったためでしょう。

 

建築の魅力【聖徳記念絵画館】

聖徳記念絵画館のデザインは、大正時代の最新の建築様式だったセッションでまとめられています。また、玄関ホール屋根に鉄筋コンクリート造のドーム型のシェル構造(貝殻のように曲面で効率よく大スパンを覆う構造)を採用した点も注目されます。当時としては革新的な試みに積極的にチャレンジしているのです。

 

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明治神宮と私
明治神宮と私

内田 祥哉(建築家)

伊東先生(編集部注=伊藤忠太。明治神宮創建時の設計者)の部屋に入って、「今日、明治神宮が焼けました」とお話をしたことをたいへんよく覚えております。伊東先生はひじょうに大事にしていらっしゃいましたからね、明治神宮を。伊東先生は「明治神宮も焼けましたか」と。

ちょうど同じ日に不忍池にある竜宮門も燃えてしまったんです。伊東先生の作品で一番大きいのは明治神宮ではないでしょうか。そして、一番小さくて気に入っていらしたのが竜宮門でした。その二つが同じ日に……。きっとずいぶんお悲しみだったんだろうと思います。

 

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内田 祥哉(うちだ・よしちか)

大正14年、東京生まれ。東京帝国大学を卒業後、逓信省に入省。東京大学教授、明治大学教授、金沢美術工芸大学教授などを務め、日本建築学会会長、日本学術会議会員など歴任し、現在、日本学士院会員。佐賀県立博物館で日本建築学会賞、明治神宮神楽殿ではBCS賞を受賞するなど、数々の受賞作品がある。

明治神宮と私
明治神宮と私

木梨 憲武(タレント)

明治神宮には、子供を学校に送ってから来ます。この参道(正参道)を歩きながら、深呼吸をして、こうやって(腕を伸ばしながら)身体を伸ばして、いい気をいただきます。参拝をして、一日が始まるというのは、本当にいい。

できれば三百六十五日、毎日そうしたい気はあります。どうしても仕事などで毎日はできないのですが、本当はそうしたいんです。

 

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木梨 憲武(きなし・のりたけ)

昭和37年、東京都出身。同55年、お笑いタレントとして石橋貴明さんと「とんねるず」のコンビ名でデビュー。数々のテレビ番組の司会や進行役としてメディアで活躍するほか、ドラマ、映画、舞台などにも出演。創作活動では絵本『のりたろうのーえほんのーはがきのー。』(ミキハウス)などを木梨憲太郎の名で出版、七十七銀行の貯蓄預金通帳の表紙や大相撲・土佐ノ海の化粧回しのデザインを手がけたり、各地で絵画の個展を開いている。

自然から学び共に生きる
自然から学び共に生きる

高橋 進(共栄大学教育学部教授、全国巨樹・巨木林の会会長)

悠久の時を経て今日に残る巨樹、その覆いかぶさるような大きさに圧倒され、畏敬の念を抱く。古代の人々も、洋の東西を問わず、こうした感情を抱いたに違いない。巨樹へのしめ縄やシンボルとしての御柱、さらには正月の門松やクリスマスのツリーなどにも姿を変えて、巨樹信仰(巨木信仰)は古代から現代にまで受け継がれてきている。

 

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高橋 進(たかはし・すすむ)

東京都生まれ。昭和47年東京大学農学部卒業、環境庁入庁。国立公園管理、生物多様性保全などの政策立案に従事。米国東西センター客員研究員などを経て、平成14年より共栄大学教授。専門は自然保護政策、特に生物多様性や保護地域に関する国際環境政策。「全国巨樹・巨木林の会」(ホームページhttp://www.kyojyu.com/)の設立にも関わり、現在は会長。世界の国立公園なども訪問し、地球的視野から人と自然との関係を見つめ続けている。