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【平成21年】

新年号

『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。

我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。

明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 

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大日本帝国憲法発布120年記念 新春対談「日本の国柄を考える」
大日本帝国憲法発布120年記念 新春対談「日本の国柄を考える」

竹田 恒泰(慶應義塾大学講師)× 百地 章(日本大学教授)

統治者としての姿を生涯貫かれた明治天皇(竹田)

 

竹田 私は慶應義塾大学の大学院で、一年かけて日本国憲法第一条を教えています。憲法というと、日本では第九条が話題になることが多いのですが、世界の常識として、一番最初に書いてあることがその国にとって一番大事なのです。

明治憲法でも第一条は天皇つまり、日本にとって最も大切なのは天皇なのです。そもそも「天皇」という言葉は日本書紀の用語です。明治憲法の第一条には「万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と、歴史的な言葉を使っている。「万世一系」「統治」いずれも日本書紀の考え方です。日本書紀が日本の正史ですから、これを読まなくては、歴史的な言葉が理解できないのです。ですから、一年の講義のうち三分の一は古事記・目本書紀を読んでいます。学生は、結構興味を持って読んでいますよ。

百地 …略… 明治憲法が制定されたのは明治二十二年ですが、幕末から明治維新へと展開する中で、建国以来、常に我が国の中心におられた天皇、その天皇に再び政治の表舞台に立っていただき、天皇を中心とした近代的な立憲国家をつくっていかなくてはならないという国家のグランドデザインが決まってきます。それが最初に結実したのが五箇條の御誓文でした。天皇が御親ら神々を祀り、近代国家の建設を誓われた。五箇條の御誓文は「明治第一の憲法」(穂積八束)とも言われています。

 

※インタビュー抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、崇敬会にご入会下さい

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竹田 恒泰(たけだ・つねやす)

昭和50年、旧皇族の竹田家に生まれる。明治天自の玄孫。慶應義塾大学法学部卒。現在、作家で慶應義塾大学講師(憲法学)。『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第十五回山本七平賞受賞。他に『皇室へのソボクなギモン』(扶桑社)、『旧皇族が語る天皇の日本史』(PHP)などの著書がある。

 

百地 章(ももち・あきら)

昭和21年生まれ。京都大学大学院法学研究科修士課程修了。京都大学博士(法学)。愛媛大学教授を経て、日本大学法学部教授。日本会議政策委員。著書に『憲法の常識 常識の憲法』(文春新書)、『政教分離とは何か争点の解明』、『靖国と憲法』(ともに成文堂)など多数。

明治神宮武道場至誠館35周年記念出版 『日本の伝統 魂をみがく武道』
明治神宮武道場至誠館35周年記念出版 『日本の伝統 魂をみがく武道』

茂木 健一郎

(前略)

近くを訪れて、少しでも時間があると、森の中を歩く。過ぎゆく時間を思う。訪れる度に何かしら新しい発見がある神宮の森。参道の真ん中に、「光の川」が流れていることに気付いたのは、いつのことだったのだろう。両側から茂る木々の葉が玉砂利の上に影を落として、真ん中だけが陽の光を直接受けて輝く。光を両側から森の影が挟む。その模様が、あるいはうねり、あるいは波打って、ずっとまっすぐに続いていく。そこにありありと「光の川」が横たわる。私たちをいずこかへと導くかのように。

 

その「小さな発見」に私はすっかり魅せられてしまった。光の川に沿って歩く。光の川は、人生を刻む時のように少しずつその流れを変えながら、どこまでも続いていく。歩みながら、無意識の不思議な奔流の中に自らを浸していく。

(後略)

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、崇敬会にご入会下さい

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茂木 健一郎(もぎ・けんいちろう)

昭和37年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部を卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程を修了。理学博士。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授、東京藝術大学非常勤講師。著書に『脳とクオリア』(日経サイエンス社)、『生きて死ぬ私』(徳間書店)、『脳を活かす仕事術』(PHP研究所)など多数。『脳と仮想』(新潮社)で第四回小林秀雄賞を受賞。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』キャスター。

明治神宮武道場至誠館35周年記念出版 『日本の伝統 魂をみがく武道』
明治神宮武道場至誠館35周年記念出版 『日本の伝統 魂をみがく武道』

を通じて国民精神の作興に寄与しようと開設された明治神宮武道場至誠館が今年、三十五周年を迎えたことを記念して、写真集『日本の武道 魂をみがく武道』を刊行した。

 

至誠館は内苑に道場を構え、弓道、剣道、柔道、武道研修科(合気道、剣術等)の四科と武学からなる綜合武道場。御祭神の御加護のもと、日々鍛錬を重ねているが、今回の写真集では、この至誠館の特徴を遺憾なく紹介している。

 

一般的に弓道なら弓道、剣道なら剣道と、それぞれの術技を解説する本は多いが、総合的に「日本の武道」とその精神性を訴えるものは少ない。

至誠館では、伝統文化としての武道の精神性をなるべくわかりやすく伝えるためにと、写真を中心にしつつ各科師範の言葉を交え、さらに演武とインタビューで構成された本格映像のDVD付きで編纂した。