秋の大祭

11月1日から11月3日まで「秋の大祭」が行われます。
11月1日の鎮座記念祭では、鎮座百年大祭を記念して明治天皇の御製(ぎょせい)からつくられた神楽「常久(とこしへ)の舞」が舞われます。
また、11月3日の文化の日は明治天皇の御誕生日にあたり、宮中より勅使(ちょくし)が差遣(さけん)されて例祭が行われます。
大祭期間中は、「舞楽」や「能・狂言」などさまざまな伝統芸能が奉納されます。

秋の大祭

11月1日(金)午前10時
鎮座記念祭
11月2日(土)午前10時
秋の大祭 第二日の儀
11月3日(祝)午前10時
例祭

秋の大祭 奉祝行事

秋の大祭奉祝行事

10月26日(土)11:00
  • 舞楽
  • 於:神前舞台
11月1日(金)12:00
  • 能・狂言
  • 於:神前舞台
11月1日(金)15:45
  • 三曲
  • 於:神前舞台
11月2日(土)11:45
  • 邦楽邦舞
  • 於:神前舞台
11月3日(祝) 9:00
  • 全国弓道大会
  • 於:武道場至誠館第二弓道場
11月3日(祝) 9:00
  • 合気道演武
  • 於:西参道沿芝地
11月3日(祝)10:30
  • 古武道大会
  • 於:西参道沿芝地
11月3日(祝)11:00
  • 百々手式(ももてしき)
  • 於:宝物殿東芝地
11月3日(祝)13:30
  • 流鏑馬(やぶさめ)
  • 於:西参道沿芝地
11月3日(祝)15:00
  • 薩摩琵琶
  • 於:外拝殿

10月26日(土)11:00 舞楽 神前舞台

10月26日(土)11:00 舞楽 神前舞台

奉納/楽友会

「振鉾(えんぶ)」

振鉾は、周の武王(ぶおう)が殷の紂王(ちゅうおう)を討って天下の平定を誓ったさまをかたどったものといわれ、舞楽会(ぶがくえ)の最初に舞われるのを例とし、天地の神々や先霊をまつる意味があるとされています。
左右の舞人一人ずつが舞台に登り、笛と太鼓 および 鉦鼓(しょうこ)だけの伴奏により舞います。

「打球楽(たぎゅうらく)」(左方の舞)

仁明天皇(在位833~850年)の御代に唐から伝来した曲を我が国で改作したものと伝えられています。『楽家録(がっかろく)』には、五月節会(さつきのせちえ)に武徳殿で行われた騎射のあと唐装束で馬に乗り球子(きゅうし)を走らす、これを打球(だきゅう)といい、その時に奏された曲であったことから曲名にしたと記されています。
太食調の四人舞で、舞人は末額(まっこう)の冠に、巻纓(けんえい)、緌(おいかけ)をつけ、金襴縁(きんらんべり)の裲襠装束(りょうとうしょうぞく)を着て五色に彩色された毬杖(ぎっちょう、又は毬打=うちぎ)を右手に持って舞います。

「抜頭(ばとう)」(右方の舞)

天平年間、今から1200年ほど前にインドのバラモン僧、菩提僊那(ぼだいせんな)、林邑(りんゆう)の僧、仏哲(ぶってつ)により我が国に伝えられたといわれています。
その昔の西域で親を襲った猛獣を子が捜し求めてついにその仇を討ち、喜ぶ様を表した舞であるとされています。
左方と右方の双方にある一人舞ですが、今回は右方の舞いを演じます。
舞人は、眉をつり上げた赤い面をつけ、毛べりの裲襠装束を着け、右手にばちを持って舞います。

「長慶子(ちょうげいし)」

源博雅(980年歿)の作といわれている名曲で、慶祝の意を表す曲とされ、慣例として舞楽会の結びに奏されますが、曲だけで舞はありません。

11月1日(金)12:00 能・狂言 神前舞台

11月1日(金)12:00 能・狂言 神前舞台

奉納/能楽協会

演目
半能「融(とおる)」

都へ上ってきた旅の僧が六条河原辺りで休んでいると、桶を担いだ汐汲みの老人が現れます。この地の謂(いわ)れを聞くと、左大臣源融(みなもとのとおる)の屋敷跡で、昔、融が東北の塩釜の風景を都に作り、塩を焼かせて、一生を遊び暮らしたが、今は誰も面倒を見ていないと答え、昔を懐かしみ、自らの老いを悲しみます。また、僧の尋ねに応じて、音羽山や大原、嵐山など都の名所を教えます。そして桶を池に入れ、塩を汲むかと思うと、立ちどころに消え失せます。
夜半、 僧の夢枕に源融の霊が現れ、生前の栄華を極めた様子を語り、舞い、名残惜しみつつ月の都に帰ってゆきます。
本日は一曲の後半部分、源融の霊が僧の夢枕に出てきた所を上演いたします。

狂言「鬼瓦(おにがわら)」

訴訟のため上京した大名がめでたく勝訴し、故郷へ帰ることに。 これも日頃信仰する因幡堂の薬師如来のおかげと思い、お礼に参詣します。参拝した大名は、国元にも薬師如来を安置しようと考え、堂を見て廻ると、鬼瓦を発見します。すると、誰かに似ていると考える内に、急に泣きだしてしまう。太郎冠者が不思議に思って尋ねると……。

【融】

シ テ 観世 淳夫
ワ キ 則久 英志
笛   熊本 俊太郎
小 鼓 岡本 はる奈
大 鼓 亀井 洋佑
太 鼓 小寺 真佐人
後 見 谷本 健吾
    安藤 貴康
地 謡 馬野 正基
    角当 直隆
    北浪 貴裕
    長山 桂三
    松山 隆之
    青木 健一

【鬼瓦】

シ テ 石田 幸雄
ア ド 深田 博治
後 見 内藤 連

11月1日(金) 15:45 三曲 神前舞台

11月1日(金) 15:45 三曲 神前舞台

奉納/三曲協会

演目
山田流箏曲 「岡康砧(おかやすぎぬた)」 

・千代見会 社中
明治20年代、藤植流(ふじうえりゅう)胡弓の家元で山田流箏曲家でもあった山室保嘉(やまむろやすよし)が、伝承していた胡弓曲をもとに当時の箏曲家と相談し、胡弓入り箏曲として編曲したものです。その後、様々な編曲が伝わり、山田流箏曲における手事物(てごともの)の代表的な曲となっています。今回の奉納で、替手(かえで)は中能島欣一(なかのしまきんいち)編曲にて演奏いたします。

生田流箏曲 「千鳥の曲(ちどりのきょく)」

・鳳友会 社中
江戸時代末期に京都・名古屋で活躍した吉沢検校(よしざわけんぎょう)によって作曲されました。当時は三味線との合奏曲が発展していましたが、復古主義的思考より、江戸前期の箏のみの音楽です。
「組歌(くみうた)」のシンプルな技巧や気品高く雅な雰囲気に立ち返り、また、雅楽を学んだ中から新しい調絃「古今調子」を編み出すなど、明治以降の箏曲に多大な影響を及ぼす曲となりました。歌詞は「古今和歌集」「金葉和歌集」から千鳥を詠んだ和歌二首を採っています。

11月2日(土)11:45 邦楽邦舞 神前舞台

11月2日(土)11:45 邦楽邦舞 神前舞台

奉納/日本舞踊協会、長唄協会

演目
長唄「外記猿(げきざる)」

・立方 花柳 寿々彦
外記節(げきぶし)という浄瑠璃の「猿」という曲を長唄に移したのが「外記猿」という演目の名前の由来です。猿廻しが屋敷に呼ばれて、庭先で猿廻しの芸を見せる様子を踊りにしたものです。実際には猿は出てこないところをそれらしく見せるところが舞踊家の芸の見せどころです。

長唄「老松(おいまつ)」

・立方 尾上 京
謡曲の「老松」に取材したもので、曲名が示す通り、老松のめでたさから唄い始め、松にちなんだ風物が表現されます。渋さ、華やかさがうまく配分されていて、格調の高さの中に洒落た雰囲気も楽しめます。踊り、演奏ともに技巧が要求され、それが聞きどころ、見どころとなっています。

【唄】

東音 渡邉 雅宏
東音 野口 悦至
東音 野口 賀功

【三味線】

杵屋 五三郎
杵屋 五吉郎
杵屋 五三吉雄

【囃子】

小鼓 望月 左太郎
   望月 左太助
大鼓 望月 太津之
太鼓 望月 朴清
笛  福原 徹

11月3日(祝)9:00 全国弓道大会 武道場至誠館第二弓道場

11月3日(祝)9:00 全国弓道大会 武道場至誠館第二弓道場

奉納/全日本弓道連盟

全日本弓道連盟会員約200名が参加する大会で、全員が一手(二射)奉納いたします。

11月3日(祝)9:00 合気道演武 西参道沿芝地

11月3日(祝)9:00 合気道演武 西参道沿芝地

奉納/日本光輪会

合気道は、旧大日本武徳会が柔道や空手道とは別に、総合実践武道として創設したものです。

11月3日(祝)10:30 古武道大会 西参道沿芝地

11月3日(祝)10:30 古武道大会 西参道沿芝地

奉納/日本古武道振興会

かつては30種ありましたが、現在残っているのは十数種です。明治神宮では、十手術、薙刀術、砲術、鎖鎌術など珍しい武術が奉納されます。

11月3日(祝)11:00 百々手式(ももてしき) 宝物殿東芝地

11月3日(祝)11:00 百々手式(ももてしき) 宝物殿東芝地

奉納/弓馬術礼法小笠原教場

百手式とは、10人が十手ずつ(矢2本が一手)射るところからきており、大きな祝典の際、神を勧誘し、弓をもって祈念する儀式です。

11月3日(祝)13:30 流鏑馬(やぶさめ) 西参道沿芝地

11月3日(祝)13:30 流鏑馬(やぶさめ) 西参道沿芝地

奉納/大日本弓馬会

流鏑馬の起源は、欽明天皇が宇佐神宮の神前で天下泰平、五穀豊穣を祈願し、馬上から3つの的を射させられた矢馳馬(やばせめ)神事にさかのぼります。
明治神宮では大正9年、鎮座奉祝流鏑馬が武徳会より奉納され、昭和7年以降は全日本弓馬会より毎年奉納されました。昭和20年に一度中断しましたが、同28年に復活し、今日に至っています。

11月3日(祝)15:00 薩摩琵琶 外拝殿

11月3日(祝)15:00 薩摩琵琶 外拝殿

奉納/友吉鶴心

演目
「敦盛(あつもり)」

850年前に熊谷次郎(くまがいじろう)と戦い、須磨明石(すまあかし)で散った平家(へいけ)の公達(きんだち)の物語。明治天皇がお好きだった題材の一つです。

10月25日(金)~11月23日(祝) 菊花展 正参道

10月25日(水)~11月23日(祝) 菊花展 正参道

奉納/各菊花会奉納団体

戦前は、11月3日の明治節を中心に各会派の奉納がありましたが、一時中断しました。昭和27年明治天皇御生誕百年祭を機に、復活しました。