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コラム「大和心」
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 年頭にあたり、昨年一年を振り返りながら、今年の動き、特に改憲に向けての動向を展望してみたい。

 昨年8月14日に発表された安倍首相談話をめぐる歴史観と、9月の集団的自衛権をめぐる安全保障法制の国会論議は、“国家防衛”に対する国民意識を高めたことは確かだろう。

 その前の4月末、安倍首相が米国連邦議会で歴史的演説を行い、米議会の評判はよかった。

 2月に発足した外務省主導の「21世紀構想懇談会」の報告書(7月)発表を受け、いわゆる戦後70年の安倍談話が出されたが、これに対する識者の評価は多様。一概に優劣を論ずることは難しいが、藤岡信勝・拓殖大学客員教授の「誰が歪めた!!『安倍談話』」(『歴史通』1月号)は、その間の経緯を知って各自が自分なりに判断するにはよい資料となっている。

 ただ、一般の国民感情からみて、昨年全般のこれらの出来事は、日本人の防衛意識を大いに高めたといえる。

 さらに、それは中国の東シナ海、南シナ海での強引な軍事力の威嚇に対して、日本人の警戒感が強まるとともに、戦後70年続いた日米安保条約下の日米同盟のあり方についても懐疑的な見方が広がってきたといってもよいだろう。

 9月の政府与党のすすめる安保法制に対して、“戦争反対”“徴兵制反対”などとのスローガンを掲げて国会周辺をデモ行進した集団の異常さも、かえって一般の日本人の良識を呼び起こしたのではないか。

 11月10日の日本武道館での憲法改正を求める1万人大会(主催・美しい日本の憲法をつくる国民の会)の“静粛さの中での式典での熱気”をどのように解すべきか。“憲法改正運動が盛り上がらない”との見方も一部では出ているが、総合的に判断する必要がある。筆者は、来年に向けて何かを突き動かして行く秘めたるパワーを感じた。昨年5月に1千万人を目標とした署名の結果は、半年で445万人。国会議員422人。地方議員では31都府県議会という数字に達しているが、これらの数字と国民意識の表れ、そして改憲への段階的実現力をどのように考えていくのか。そこにこそ日本民族の特性があろう。

日本人の民族意識が重要に

 そんな中で、12月18日、最高裁が家族の絆を守る「夫婦同姓」合憲の判断を示したのはその意識を知るよき一例だ。防衛とか改憲に直接かかわるわけではないが、日本人一人一人の民族的意識向上を考えれば、もっとも基底となるのは家族意識(家のまつりと言ってもよい)で、その底力は計り知れないものがある。選挙に向けての国民の1票は、そうした家族の一体感が基礎となって生まれてくるといってもよいだろう。日本人の家の絆が明らかにされたことは、改憲実現への目に見えない橋頭堡(きょうとうほ)といえるだろう。次にこれらの成果と日常、年中行事や伝統的儀式などとは、どう連関して行くかを考えてみるとよいだろう。

 日本人が当たり前のこととして行ってきた伝統行事等は、ここに述べてきた防衛や家族の絆と密接に結びついて時に応じて大小の結集力となって実践力にもなっていく。

 年の瀬の12月23日は82歳となられる天皇陛下の御誕生日で、皇居には2万6千名の人々がお祝いに訪れ、「明るい良い年となるよう願ってやみません」とのお言葉を賜り、皇室を戴く日本国の国民の喜びと自覚を強くした。

 1月1日、天皇陛下は早朝より歳旦祭に臨まれ、各神社でも国の繁栄と国民の安寧が祈られる。国民もまた、新年を祝い、初詣などで年の初めに誓いを新たにして皇室と国民の一体感が育まれていく。

 2月11日は、建国記念の日。初代天皇の神武天皇が、橿原の宮に即位された日である。戦前は紀元節。敗戦後、祝日でなくなったが、昭和41年に「建国記念の日」として復活したものだ。ただし、日本国政府はいまだ建国を祝う式典を主催していないという国家として“異常事態”が続いている。自分の国の誕生日もお祝いせず(政府主催式典を行わず)、日米安保条約下集団的自衛権や安全保障法制を優先する米国追従型の日本政府には多くの批判や無関心が出てきて当然ともいえる。今年の建国記念の日には、ぜひとも政府主催の式典を行い、日本の“神武建国”を政府自ら高らかに意義付けて、“占領憲法”を速やかに改正する国民運動の推進力をしっかりとつくることが大切だ。

 時あたかも11月22日に、大阪で交声曲「海道東征」が演奏されて評判を呼んだ。その内容は、神武天皇が九州から瀬戸内海を通り、浪速、熊野を経て、奈良の橿原で即位する、東征建国神話で、北原白秋の作詞、信時(のぶとき)潔が皇紀2600年奉祝曲として昭和15年に作曲した大作である。奇しくも本年は、神武天皇二千六百年の式年祭にあたる(大正天皇の御代、二千五百年の式年祭は大正5年4月3日に行われた)。

 今夏の参院選挙が衆参同日となって、改憲への初動となるのか。安倍政権は、昭和41年に復活した「建国記念の日」の国民運動の歴史を改めて見直し、日本人のサイレントマジョリティー(潜在意識)の動向を読み解いて、憲法改正実現運動の基本戦略を立て直すべきであろう。(み)

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