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コラム「大和心」
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 世界に名だたるプロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎氏が、80歳の高齢で、世界最高峰のエベレスト登頂に挑戦し、みごと生還した壮挙は、国内外のフアンたちに大いなる活力を与えたといえるだろう。

 スポーツの一つで楽しむ冒険と、精神修養に重きをおいて心身を鍛える武道の違いもあるが、戦いに挑むという生死にかかわる緊張感を共有する面も大きい。ここには三浦氏のインタビュー記事(読売新聞6月18日付、編集委員が迫る 三浦雄一郎氏)から、武道修養に役立つと思われる具体的な教訓をひき出してみたい。

その1 諦めないこと
 人は年をとると、諦めることが多くなる。出来ない理由ばかりを考えます。僕も60代で、そうなりかけた時期があった。でもどんな年齢でも、夢をもち、諦めなかったら何かを達成できる。

その2 挑戦的な健康法
 もう年だからと守るだけでなく、もう少し挑戦的な健康法もあってもいい。体は今あるものを守ることに徹すると次第に衰えます。でもどんな年齢でも、目標を持って訓練すれば、筋力も機能も向上できる。もっと強く、元気になれます。

その3 カメ作戦
 年寄り半日仕事っていう言葉を思い出して。基本的に今まで1日でこなしていたところを2日で行う。若い人で高度順化で無理をして、ベースキャンプに着く時には三途(さんず)の川を渡りそうな様子のこともある。

その4 極限での平穏
 高度8500bの最終キャンプ、C5で、アタックの前に、茶器で抹茶と羊羹(ようかん)をいただいた。(略)30分ぐらいなのに、気持ちの高ぶりや懸念がすっとなくなった。万全を期しても、何が起こるかは分からない極限の地。お互いに命を預けて、やるなら楽しくやろうと。事に当たる前の心の平穏を醸し出す、日本文化を味わった思いでしたね。

その5 大きな危機での生きる執念
 苦労して苦労して、巡礼が聖地にたどり着くように、ようやく山頂を踏みました。ここまで苦しい行程に、80歳で耐えられたということに、プライドのようなものを感じました。
 地表の3分の1の酸素濃度の山頂には、20分以上いたらいけないといわれるのに、酸素マスクを外して延べ30分くらい過ごした。下山の筋肉の訓練不足、ほとんど飲まず食わずで17時間近く行動したことも響き、C5に下りるまでに疲労困憊(こんぱい)。
 1時間ほど休んで飲食すると、奇跡的に動けるようになった。あとは高度8000b弱のC4まで、絶対皆で生きて帰るんだと、執念のような思いで一歩一歩を踏み出し、日没ぎりぎりに帰着しました。

その6 登頂より生還の厳しさ
 山は8割近くが下山で遭難している。生還するのは、生きる執念を捨てなかった方たちです。僕の場合も、2日間で30時間の氷壁との闘い。諦める自分がちょっとでもいたら、生きては帰れなかった。

  以上6項目が、紙上にみる三浦氏の興奮さめやらぬナマの声。

 戦国乱世の剣豪が、タイムスリップして、現代に実戦の教訓を直伝してくれたようにも思う。(い)

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