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コラム「大和心」

 7月11日、参議院選挙の結果、与党民主党が議席を減らし、いわゆる「衆参ねじれ国会」の状態となった。野党自民党は、この勢いで衆議院の解散総選挙に持ち込もうとしていることから、日本の国会は政治論議が不在の政局国会、すなわち政党間の勢力争いに終始する状態が続きそうである。

 ここ数年来、自民党と民主党の抗争は、政策論争を超えて、党員あるいは支持者一人一人が心から相手を忌み嫌う対立関係にまで発展し、日本のために利害主張を超えて『和する心』で政治に取り組む状態にはないように見える。このような状態は、他国を利することはあれ日本のためにならないことは言うまでもない。

 いわゆる55年体制といわれる、自民党と社会党による馴れ合い国会に代わり、平成5年、細川内閣の成立とともに2大政党制がさけばれるようになってきた。

 英国や米国の憲法思想を植えつけられたついでに、2大政党制という仕組みまで真似るつもりだったかもしれないが、これは、英国なら英国王室、米国なら独立宣言という、各国いずれの政党も、国家の基本的価値を絶対的に尊重するという共通性を有するからこそ可能な仕組みである。片やわが国はどうか。日本の政治では、左派と右派は、政策論をしているようで実は国体を根底から覆す価値観の対立が生じている。社会主義や共産主義、米国信奉者や中国信奉者、経済利益至上主義団体や特定宗教団体等々そもそも根底とする価値観が全く異なる政党と諸派の議論に共通点など見出せるはずがない。

 このままの政党政治の仕組みでは、わが国はいよいよ分裂が進み国家の統一性が弱まり、武力を使わない内戦状態に陥る。武力を使わないだけに、分裂抗争は決着がつかず混沌とした状態が延々と続くことになろう。

 日本人は、今一度、われわれのご先祖様が見ていた広い視野に立ち戻らねばならない。それは、地球はもとより宇宙全体が渾然一体をなし、万有万象は常に統一体として生成し発展しているという自然観である。自然が一体として統一性を有するなら、当然人間の社会も、神々が創った自然のルールに従って統一性をもつべきだとするのが、八紘一宇の精神であろう。今でも、森や海で昔ながらの仕事をしている日本人は、木を一本切るのにも、魚一匹とるのにも、神々を意識し、神々と一体となって生きている。

 戦時中、政府の海外神社政策や軍の政策などを手厳しく批判し、「真正なる国体的道義に立つべき」であることを勧告し続けた神道思想家の今泉定助先生は、万有万象は常に統一体として生成し、発展するとし、その霊魂の絶対統一性が直霊(なおひ)の作用であるとした。今泉定助先生の言葉をかりれば、現代は、まさに相対分裂性の禍津毘(まがつひ)が進行している状態だ。

 「人間はその団体生活を離れて、個人主義に走り、自由主義に趣くことが邪悪の出発点である。団体生活の分解解体が人生悪、社会悪の根源である」と今泉先生が指摘されたように、このような政治的社会的分裂と混乱を生み出したのは、戦後憲法の下に置かれた日本の当然の帰結であろう。

 しかし、今泉先生は、日本の神話では、分裂破壊から統一建設が生ずる例が数多く示されているとも述べている。見方を変えれば、禍穢邪悪の元となる禍津毘を植え込まれた戦後体制が、天地自然の大きな力によって禊ぎ祓われ、明清正直な直霊への還元へと向かっているのかもしれない。

 振り返れば、江戸時代、朝廷に尊敬を尽くして臣節を全うするを旨としながらも、こと政治に関しては天子といえども干渉を許さずとして、将軍専制独裁政治をとってきた徳川幕政においてさえも、米国のわが国に対する強行開国の段にいたり、天皇の幕政への支援を願い出るに及んだ。力による統一は力が及ばなくなったときに崩れる。同様に、現憲法の前文のような人の作った理屈による大衆の洗脳統一もまた、その不自然さゆえに必ず崩れ去る。

 人が考える遥か以前から、宇宙に存在するものは全て統一されたルールの上に存在している。日本人は、それを万物が神から授かった直霊とよび、皆が清浄なる神の子としての本性たる直霊を現実に発揚して神の国を建設しようとした。自らの直霊に従えば全ては統一した世界にあるが、直霊を欠くと禍津毘となって分裂する。日本人は、統一体としての自然から分裂した状態は、禍津毘が強い邪悪な状態となるので、禊祓をして禍津毘を直霊に還元しなくてはならないと考えた。

 現在の日本が正しく統一した社会に戻るためには、党利党略・私利私欲に走る禍津毘を祓い清め、天皇を中心として日本を再生することよりないようにおもわれる。(あ)

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