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コラム「大和心」

 短命に終わった民主党の鳩山由紀夫首相、小沢一郎幹事長に代わって登場した菅直人政権。市民派政治家の手腕はいかがか。就任早々の記者会見で「菅政権のキーワードは」と尋ねられて「“奇兵隊内閣”とでも名付けたい」と答えたのは意外の感をもった。

 奇兵隊を創設した高杉晋作は、明治維新期の志士の中で大衆的にも人気が高い武士だが、なによりも尊皇攘夷の急先鋒の行動派として知られる。

私は長州生まれだ。高杉晋作は果断な行動をとって、明治維新を成し遂げる大きな力を発揮した。今、日本の停滞を打ち破るためには果断に行動することが必要だ。奇兵隊は武士階級以外からもいろいろな人が参加した。高杉晋作は逃げるときも速い、攻めるときも速い。わが党の国会議員が奇兵隊のような志を持って勇猛果敢に戦ってほしい。(平成22年6月8日産経新聞)

と、その胸の内を述べているのは注目してよい。

 国民大衆に人気の高い、行動派としてのアピールを狙ったかもしれないが、行動力についてだけでなく、日本人として最も大切な“尊皇攘夷”の精神心情についてどう思っているのかを語るべきだろう。

 高杉の行動力は、とくに元治元年の暮れに長州俗論党(幕府追随の)政権を一掃した時がめざましいが、奇兵隊を創設・育成したこと、下関での英・仏・米・蘭の四国艦隊との衝突、京都の禁門の変以後、藩論を倒幕に統一して、幕府の長州再征軍を潰敗(かいはい)させたことなど大きいが、その行動を生み出した心情は「毛利家恩古の臣」の自負と、吉田松陰から受け継いだ尊皇攘夷の精神である。

 菅新首相は、高杉晋作のこの最も熱い心情について国民に語れば、現代に明治維新を求める国民の大いなる支持を集め信頼を得るだろう。

 奇しくも菅政権の奇兵隊内閣に触れたが、「参院選が終わるまでは堪忍袋の緒を切らずに自重するだろう」(中曽根元首相、平成22年6月11日産経新聞)とみられている小沢一郎前幹事長の幕末維新に関わる発言をみておくのもいいだろう。自民党連立政権打倒を、幕末の“徳川幕府打倒”と捉えて自民党を脱党、野党連合して政権奪取を狙って昨年、ついに8月に国政の歴史的転換を果したといえる小沢氏の戦闘気概の突出したさまが見えるだろう。

 2002年、民主党と自由党は「平成の薩長連合」といえる野党結集を断行した。それは日本を内部から腐敗、崩壊させつつある自民党政権を倒して、国民のための改革政権を実現するものだ。
 少し前から、僕は自由党党首として、民主党代表だった鳩山由紀夫氏と何度も語り合った。
 鳩山氏は大きな歴史の流れを見据えながら、「自民党中心の権力構造を壊して、時代にふさわしい新しい体制をつくれば日本は再生できる。野党第一党である民主党が、ともに闘う仲間を結集させ軸になる。―」と訴えた。
 それに対し、僕も「国民が不安を抱かないよう、まず我々が明確な姿勢を見せるしかない。『薩長連合』でも『薩長土肥』でもいい。ぜひ国民のために倒幕を進めよう。―」と賛同した。

と記されている(『剛腕維新―小沢一郎』「はじめに―日本覚醒に向けて」角川書店、2006年8月発行)。そして、

 あれから約130年、日本は今こそ、明治維新に匹敵するような革命的転換を成し遂げなければならない。

と強調されていることからみても、小沢一郎氏の打倒自民党の意気込みは、“倒幕”に匹敵する気概といっても過言ではない。

 しかし、問題は精神において尊皇であるか否か。また、外国の威圧に対する“攘夷”であるかは大いに疑問を呈しておかねばならない。(い)

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