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コラム「大和心」

 5月24日、李明博韓国大統領は、3月26日におきた韓国海軍哨戒艦『天安』沈没事件の原因を、北朝鮮の魚雷攻撃によるものだと断定し、北朝鮮に対する断固たる措置を取ることを表明した。事件発生から、相当な時間をかけての発表であったが、ことの重大性からすれば、必要な時間だったかもしれない。
 これに対して日本政府は、韓国を支持することを表明した。また、日本のメディアも本件をトップニュースで取り上げた。

 軍の艦艇に対する武力攻撃は、国際法上、他国の領土への武力攻撃と同じように、国家としての自衛権を発動できる重大な事態である。仮に、その場に他の艦艇がいて、攻撃した潜水艦を確認できれば、即座に自衛権に基づく反撃ができる。
 韓国政府の発表が、相当時間を要したのはこの点にある。北朝鮮の武力攻撃と認定する以上、武力による反撃も辞さないという態度を示さないと、国家として主権の行使を放棄することになる。責任ある政府としては、国民個々の生命、安全、財産を守るべき国家としてその主権を放棄するという決定はできない。
 今回は、即座に戦争という事態には至ってないが、この状態で、北朝鮮による更なる攻撃があれば、韓国としては戦争を決断せざるを得ないだろう。

 さて、日本政府は、韓国を支持することを表明した後、いかなる対応を準備しているのだろうか。常識的には、かかる状況が生起した場合、先ずは、この武力事態が自らにも影響を及ぼすものかどうかを詳細に分析するだろう。もし、自らにも波及する可能性があるのであれば、当然こちらも必要な対応を準備することになる。必要な対応の中には、武力に備えるための対応も含まれる。
 自らには、直接影響を思しえないとしても、同様の状況がわが国にも起きた場合を想定し、問題があるようなら早急に改善処置を講じなくてはならない。

 現実には、仮に朝鮮半島で武力衝突が起きれば、米国の武力による関与が予想され、周辺事態としての対応の可能性が出てくる。さらに状況が発展すれば、ミサイルなどによるわが国に対する直接的攻撃も懸念される。したがって、韓国が、北朝鮮の武力攻撃と断定したことを受けて、当然政府から国民に対する何がしかの注意喚起があってもおかしくはない。また、政府は、そうした事態への対応を準備しておくべきだ。
 かかる事態が現実に起きないとしても、海上自衛隊の艦艇が武力攻撃を受け、韓国と同様の事態が発生した場合、日本政府は、韓国と同じような断固とした態度を示す覚悟を持たなくてはいけない。

 しかし、国民が拉致され、領土が侵犯されているという事実を認めながらも、「何もしてないということはありません」というための口実づくりしかしていない現状を見れば、政府の対応には悲観的にならざるを得ない。
 また、日本のメディアや評論家は、何事も経済的尺度でしか評価しえないが、国際政治は、経済だけでなされるものではない。経済的ものの見方では、武力を政治の手段として使用する国際政治の動向は読み取ることはできない。

 国家が自衛権を行使すべき状況でそれを行使しないということは、自ら主権を放棄するということを意味する。国家が主権を放棄するということは、その国家は、外国からの武力による威嚇や攻撃から国民の生命、安全及び財産を守ることを放棄するということである。
 また、国家と国民は別にあるわけではなく、国民一人一人が国家を形成しているのである。つまり、国民一人一人の人権の保全は、国際社会では国家主権という形で権限行使が認められているわけである。
 最近は、税金を納めれば国民だから、外国人も選挙権があってもおかしくはないとする意見があるが、国家は、会費制のクラブではない。会費を払っても、他の国民全員の人権を守る義務、すなわち国家主権を守ることを国民全員が義務として担うのが主権国家である。

 戦後日本は、国家ではなく会員制クラブだというのなら致し方ないが、仮にも国家であるというのなら、隣国である韓国と北朝鮮の間で起きた武力攻撃事態を見て、油断を怠らないようにしなくてはならない。(あ)

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