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コラム「大和心」

 他人のノートに依存して試験を受ける学生は、写したノートの内容が間違っていたり、その内容では解けない問題に遭遇したときはお手上げである。国家においても、他国の政策を真似、他国が作ったシステムの中でうまくやろうと考えている国は、その政策やシステムが破綻したときは手の打ち様がなくなる。

 戦後、わが国の憲法前文は日本独自の価値観を喪失し、9条は戦争ならぬ自立性を放棄した。このような日本の体制では、現在直面している国際社会の歴史的転換に際し、まったく主体的・独創的考えを打ち出すことができない。

 日本が、今後、主体性を回復し、国際社会に貢献していくためには、戦後の枠組みからの自縛を引きちぎり、そもそも「日本とは何か」という原点に立ち返る必要がある。その原点とは、日本の神話であり、日本建国すなわち神武創業(じんむそうぎょう)の理念である。そこを起点とし、わが国の歴史・伝統の中から、本来、日本人が大切に伝えてきたものを一つ一つ吟味して、現代さらには将来の日本と世界の繁栄に有益となる提案をすることが日本人にしかできない重要なる役割である。

 日本の神話では、木霊も風も草木も人も全てのものが神の産土(うぶすな)の系列で生まれ、現在も未来にも続く。したがって、純正なる日本的発想からすれば、人間も含む自然界は大きな家族と捉えるから、自然との共生・人類の協和こそ自然観、社会観の原風景と考える。これは、ホッブス、ロック、ルソー等が築き上げた現代の民主主義思想の基盤、すなわち、万人相互が戦いあう自然状態を前提とし、その中で特別の権利を有する人間が社会契約を持ってする民主主義思想とは根本的に異なる。

 また、日本の神は、絶対的教示を示すことはない。神々は、その時々に照らし合わせて解決策を暗示し、あるいは、話し合うことさえする。神々でさえ対立せずに話し合うのだから、人間が絶対的だと称する教義や法を創りあげ、それを他に強制するようなことに、日本人は反感を覚える。日本人は、崇拝する神や民族、社会体制の違いを、対立や統制ではなく相互に自立した中で解決策を導き出す民主的原則を可能と考える。このような日本人の考え方は、グローバル化が進んだ今日の国際的問題を解決する重要な手がかりになるのではないか。

 2月11日は、神武建国を記念する祭日である。神武天皇が即位するに際して詠んだとされる「橿原建都の詔」では、時々に応じ民に利がある政(まつりごと)を為し、天皇自ら国民の規範となることを誓い、一つの家族のように暮らす社会を理想としている。現代社会の再構築においては、個々の政策の技術的な議論に先立って、このような単純明快でありながら、理想的社会の本質的は何かということを明確にすることが必要である。

 現代の社会において、この理念を実行する気概と行動力の養成こそ至誠館武道の重要な役割である。(あ)

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