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コラム「大和心」

 平成21年をいかなる歳と自覚するか。京都・清水寺では、昨年を「変」と書き表していた。アメリカのオバマ新大統領の“チェンジ”にあやかった選択だろうが、その変革の波はすでに日本にも押し寄せている。日本人に寄って立つべき強い精神的よすががなければ、ただ漂うままに衰退してしまう。何とか目標を打ち立てて、民族の正気を奮い起こさねばならない時である。

 “日本自立元年”ととらえた学識者がいる。国際政治の良識派オピニオンリーダーとして人気のある京都大学の中西輝政教授が『諸君!』2月号で述べていることは、時宜を得た提言である。賛意を表すると共に憂国慨世(がいせい)の諸兄に一読をすすめたい。

 同教授は、十数年前に『大英帝国衰亡史』(PHP研究所)を著し、大国はいかにして主役の座を降りたかを人物を中心に興味深く説いて注目を浴びたが、今回の論文では、現代アメリカ帝国の自壊の道も観察していて、説得力を持っている。

 
   いま世界中を混乱の坩堝(るつぼ)に陥れているアメリカ発の世界同時金融
  危機は、単に「百年に一度の経済危機」という現象面でのみとらえるべきでは
  ない。その背後にはより巨大な歴史的転回が秘められている。
 
と指摘して、「それを直視せずして、日本再生の方策はけっして見えてこない」という。詳しくは同論文を参照されたいが、それは、
   2008年以降の「パックス・アメリカーナ」の決定的衰退現象は、主要8カ国首
   脳会議(G8)時代の終焉をも意味している。(略)これは「先進国サミット」の
   歴史的退場と共に国際的には、「経済大国・日本」の終焉を意味した


というもので、世界は混沌とし、牽引者がどこにも見当たらぬ「多極化世界」に突入していかざるを得ないところにきたと指摘している。

ここで同教授が「多極化世界」について、80年ぶりに訪れようとしているもので、「何という恐ろしい世界なのだろう」と言っているのが特筆される。その意味は、「日本人が、自らの意志で自らの進路を考えねばならない世界」であり、「世界との関わりに ついて自前の構想を持たねばならないこと」を指しており、それ自体が「恐ろしい」と強調しているものだ。

 確かに、政治、経済、防衛を大国アメリカの“保護下”におかれて60余年を過ごした日本人の立場からみれば、実に恐ろしい世界であるかも知れない。しかし“自立元年”と自覚する立場から考えれば、「自らの意志」で「自らの進路」を考え、「自前の構想」を持つことは普通の独立した国家、国民の当然の発想で大いに奨励すべき心がけというべきであろう。

 恐ろしいと萎縮する気概をチェンジして行くことこそ現代維新のリーダーたちの責務であろう。武を求め修める意義はそこにこそある。

 伝統にもとづく日本武道から言えば、本年は武道再興元年と称すべきか。

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