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コラム「大和心」


チベット人の心と勇気

 北京五輪まで、4月30日であと100日。26日の長野は、大陸中国のチベット問題が日本を襲った感がある。チベット人の怒り、中国人の歓声が騒然となって厳戒態勢下、地元市民抜きの聖火リレーとなって、何のための、誰のための五輪かと深く疑問を投げかけたが、ここには前回に続いて、チベット人の悲願とその勇気について武道的視点から捉えてみたい。

 前日の25日、国営新華社通信は、中国政府がダライ・ラマ14世側との対話再開の要求を受けて、協議する用意があると伝えた。

 中国政府はこれまで、ダライ・ラマ14世側とチベット騒乱の「策動者で分裂主義者」と断定し、各国首脳のすすめる対話に応じようしなかったのに、協議に応じる姿勢を見せた背景には、ダライ・ラマ14世側とチベット支持者側の非暴力の世界的アピールが浸透してきたことがあろう。また、長野の前日に日米に内報してきたのは、米国議会への配慮と5月の胡錦涛国家主席の来日を前にして、北京五輪を円滑に運営したいという指導部の強い思惑があろう。

 このことは、一国一国と聖火リレーが進むごとに五星赤旗をかかげて、数の上でチベット人を圧倒する中国勢に対して、着々とチベット人の危機感をアピールして大きな影響を与えている証拠といえるだろう。今では、北京五輪の聖火リレーとチベット問題は完全にリンクして世界に拡がっている。中国政府側は、何らかの平和アピールを示す必要にせまられた。チベット人の力の源泉は、どこにあるのだろうか。

 この日、長野に集まった在日チベット人は、30人と報じられている(聖火リレーの出発地を辞退した善光寺で行われた、3月14日のラサでの大暴動以来、犠牲となった人々を追悼する法要に参列)。これに加えて日本人の支援者やアテネの式典で抗議行動を起こした国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」の人々。人数は不明だが僅かな人数だろう。

 これに対して中国人留学生と称される人々(華僑、華人という表現もある)が、新聞報道によると3千人から4千人、国旗が千本配られたと報じられている。

 これは、チベット人1人に対して、中国側が100倍以上の人数となっていて、多勢に無勢といってよい。

 これを日本人警察官3千人が警備に当たるわけだが、北京五輪の“聖火”に向かって抗議行動を示威するチベット側にその主力が向けられるのは当然で、チベット人側は警察官をも敵視する立場に追い込まれたかもしれない。

 そうなるとチベット人1人が中国人100人と警察官100人と対峙することになる。

 もちろん肉体的に戦うわけではない。

 1人の気概が100人、200人に匹敵することをいう。これは現代の民主主義的考え方での公平、平等意識からみれば、勝負にはならない不平等だ。当然に少数派は、屈して負ける。

 だが、チベット人は、屈せず、負けない。

 その力の源は何なのか――。自らの宗教、チベット仏教文化を死守しようとする心にあるといえる。その心から発する勇気と力は、敵が多く、強いと感ずるほど大きくなっていく。心・気・力が一致すればさらに新たなる技(方法)を生み出していくようだ。

 武道は、戦いの技術を修練するのみでなく精神を修養することが求められる所以である。その精神の根底に、民族の宗教心があることはいうまでもない。それが日本の場合、神道であろう。

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