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コラム「大和心」


 文部科学相の諮問機関、中央教育審議会(中教審、専門部会)が、武道とダンスを中学生の保健体育の授業で必修化する案をまとめ、来年早々にも文科省に答申し、早ければ平成23年度から実施、身体の鍛錬だけでなく、文化伝統を知る効果が出てくるかも知れないなどと報じられている(『産経』10月22日「明解要解」)。

 学校教育で、体力でも個人差の大きいたくさんの生徒たちに、体の“鍛錬”などできるのか。今の公教育という制約の中で、例えば核心となる神棚の設置の文化伝統が堅持できるのか、はなはだ心もとない点が多いが、ともあれ体の脆弱化した子供たちを強くするには、正座を我慢させて素振りをしたり受身をとらせ、敵(相手)を意識して行動するだけでも効果はあるだろうから、まず実施して総合的に評価するとよい。

 あわせて中学生だけでなく、保護者の父母や教師、さらには行政の役人や政治家まで、それぞれの地位立場に応じた武道の心得を必修とすべきで、こちらは緊急を要する。

 しかも、単にスポーツ武道的なものではなく、国家、社会そして家庭を、“敵対者”から責任もって防衛していけるだけの実践力――いわば彼(敵)を知り、己を知って、あらゆるものごとに対処できる力と技を身につけさせることである。

 その成否は、実力をもった優れた指導者で決まってくるが、それほど数が多いわけではなく、人材の確保が問題となる。そして精神性をいうのなら、武道場には日本民族が崇敬してきた武神、英雄をまつる神棚がぜひとも必要となる。体育館施設で精神のよりどころとしての神棚もなく、土足のままでスポーツを楽しむつもりで“鍛錬”しても、目的は達せられるものではない。そこには神々に象徴される日本民族の清められた良心が不在なのだから、単なる遊びとなるか、嵩(こう)ずればいじめや暴力ともなって、高い精神性を養い、強い肉体を鍛えるという伝統的武道の国民的イメージさえ失っていくことになる。

 “武道必修”といえば、すぐに効果があがってくるように考え勝ちだが、武道は一対一の稽古が基本で、武士道と同じく、マスプロ教育はできないことは歴史の示すところで、銘記すべきであろう。

  大将の武道を好むと曰うは、専ら武芸を好み、心のいかつなるを曰うにはあらず、軍(いくさ)の道を知りて、常に乱を鎮むる智略を為し、武勇の道に志して、油断なく士卒を調練し、功ある者に恩賞を与え、罪ある者に刑罰を施して、剛臆を正し、無事の時、合戦を忘れざるを曰う。


 これは戦国末期の知将、黒田如水の教えと伝えられる。戦国期屈指の大将の教えをそのまま現代の個人にもってきて手本とすることはできないが、「身を修め」「家を斉(ととの)え」「国を治める」というそれぞれの立場の人々にとっての武道的教えとして光彩を放っている言葉で、含蓄がある。ご参考までに。

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