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コラム「大和心」

サッカー選手一同へ -日本武道からの提言-

 サッカーのワールドカップ、ドイツ大会での日本敗退は、一スポーツとはいえ、現代の国際情勢下、日本人の将来を占う上で看過できないものがある。その敗因をつきとめ、次への勝利を確実にするための対策を立てる必要がある。

 ジーコ前監督は、敗北の原因に体格の差と体力のなさをあげた。そんなことは前から判りきったこととの声もあるが、判りきったことを克服しているかどうかは別問題だ。

 技量や体力の差だけでなく、闘志の差も大きかったのも明らかだ。侮蔑の言葉で挑発されたジダンの頭突きの一件は、楽しむスポーツとはいえ、その内実は熾烈な国別戦闘で、選手というより戦闘者というべきで、この点、日本人の認識は甘い。そうした中で、オシム新監督は日本選手の現在の実力を踏まえた上で、“日本らしさ”を生かすことを指摘したのは勘どころがいい。

 でも、日本らしさとはいったい何か――。国際スポーツ“戦闘”競技で勝利しうる“日本らしさ”とは具体的に何なのかが追求されるべきだ。そこに国民全体の賛意が得られれば、全体の士気も上がってくる。そこで伝統武道の立場から、心身の鍛錬の一つの具体案を提示したい。

 


  プロ野球の米国メジャーリーグでのイチロー選手の活躍ぶりをみれば、日本人の体格や体力、闘志の弱さなどを言う人はいない。戦国乱世に生まれていれば、剣豪・宮本武蔵にも匹敵するだけの凄味を持って進化している。だからその鍛錬法を研究応用すれば、サッカー界の起死回生策も編み出せよう。

百年前の明治40年。アメリカの野球チームが来日し、慶応大学野球部と対戦した際、同じような問題が生じた。だが、日本側が連戦連敗していたのを、「実に帝国腕力の名誉に関する者」との“危機感”をもってバックネット裏で観戦し、その敗因を探り、すぐさま解決策を提言した頼もしい軍人がいた。

誰あろう、日露大海戦で帝国海軍の大勝利をもたらした名参謀、秋山真之である。その時に野球部員宛に書かれたのが、ユニークな「褌(ふんどし)論」である。

そこには、体力、知力、気力を養い、足腰を鍛えるため意識を下腹におく褌の効能が述べられ、その大事さが青年たちに忘れられていることが指摘されている。

武士が戦場に臨むにも相撲取りが土俵に上るにも或は又碁打ちが碁盤に対するにも総て其方面の勝負にはこれ無くては叶わぬ必要にて其効能は決して睾丸の保護には無之

と前置きして、次の偉大なる四つの効能をあげている。

一、 心気を丹田(たんでん=下腹)に落着け従って逆上を防ぎ智力気力の発作(はっさく)を自在にする事
二、 腹部に体力を保持し従って腕力の発作を大にする事
三、 気息(呼吸)を容易にし従って息切れを防ぐ事
四、 身体の中心と重心とを一致せしめ従って体を軽くし歩速を増加する事

とある。まことに一つひとつを捉えてみれば、大いなる効用に気がつくのだが――。

然るに近時の青年諸君は世俗の進化と共に此の褌の大効用

を忘れてしまった。だから

腹に力が入らず血が頭脳にのみ逆上する為め咄嗟危急の場合等に処して肝要なる
虚心平気の態度を失い従って出るべき智能も技倆も出し得ざる事

になっている、と戒めている。“現代の世相”とともに日本サッカーを回顧すれば、日本らしさの具体策・腹づくりと足腰の鍛えも見えてくるのではないか。まずは伝統回帰が重要だ。

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